ピラティスコラム

【2026年】ピラティスの呼吸法を徹底解説|胸式呼吸のやり方・コツ・よくある失敗と対処法

ピラティスの呼吸法(胸式呼吸・ラテラル呼吸)の正しいやり方を4ステップで解説。うまくできない原因別の対処法や初心者向け練習メニューも紹介。呼吸のコツをつかんでエクササイズ効果を高めましょう。

ピラティスにおける呼吸の役割と重要性

ピラティスを始めたばかりの方が最初にとまどうのが「呼吸」です。エクササイズの動きだけでなく、なぜ呼吸にまでこだわるのか疑問に思う方も多いでしょう。

しかし、ピラティスにおいて呼吸は単なる酸素の取り込みではなく、エクササイズの効果を大きく左右する重要な要素です。まずはその理由から見ていきましょう。

ピラティスで呼吸が重視される理由

ピラティスの創始者であるジョセフ・ピラティス氏は、「呼吸は生命の最初の行為であり、最後の行為でもある」という言葉を残しています。彼はエクササイズを体系化するなかで、呼吸を最も重要な原則の一つと位置づけました。

ピラティスには6つの基本原則があります。

  1. 集中(Concentration)
  2. 制御(Control)
  3. 中心(Centering)
  4. 流れ(Flow)
  5. 正確性(Precision)
  6. 呼吸(Breathing)

呼吸はこの6原則の一つに数えられるほど、ピラティスの根幹をなす要素です。正しい呼吸を行うことで、インナーマッスル(体の深い部分にある筋肉)が自然と働き始めます。つまり、呼吸そのものがトレーニングの一部なのです。

インナーマッスルとは?

体の表面からは見えない深い位置にある筋肉の総称です。腹横筋(ふくおうきん)や骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)などが代表的で、姿勢を支えたり内臓を正しい位置に保ったりする役割があります。

呼吸がエクササイズ効果に与える影響

ピラティスの呼吸法を正しく行うと、エクササイズの効果は大きく変わります。主に次のような影響があります。

  • 体幹の安定性が向上する:呼吸と連動して腹横筋や骨盤底筋群が働き、体の軸がブレにくくなります。
  • 動きの質が高まる:呼吸のタイミングと動作を合わせることで、関節の可動域(動かせる範囲)が広がり、なめらかな動きが可能になります。
  • リラクゼーション効果が得られる:意識的に深い呼吸を行うことで副交感神経が優位になり、ストレスの軽減につながります。

反対に、呼吸を意識せずにピラティスを行うと、効果が半減してしまうと言われています。呼吸が浅いままではインナーマッスルが十分に活性化されず、表面の筋肉だけを使った動きになりやすいためです。

ピラティスの呼吸法をしっかり身につけることは、エクササイズの効果を最大限に引き出すための第一歩と言えるでしょう。

ピラティスの呼吸法「胸式呼吸(ラテラル呼吸)」とは

ピラティスで用いられる呼吸法は、一般的な腹式呼吸とは異なります。ここでは、ピラティス特有の胸式呼吸(ラテラル呼吸)の特徴と仕組みをくわしく解説します。

胸式呼吸(ラテラル呼吸)の特徴と仕組み

ピラティスで使われる呼吸法は「胸式呼吸」と呼ばれます。なかでも「ラテラル呼吸」という名称で呼ばれることが多く、これは英語の「lateral(ラテラル)=横方向」に由来しています。

ラテラル呼吸の最大の特徴は、肋骨(ろっこつ)を横方向に広げるようにして息を吸い、閉じるようにして息を吐く点です。お腹をふくらませるのではなく、胸の横幅を広げるイメージで呼吸します。

この呼吸法の仕組みには、次の3つの筋肉が深く関わっています。

  • 横隔膜(おうかくまく):息を吸うときに下がり、肺に空気を取り込むための主要な呼吸筋です。
  • 肋間筋(ろっかんきん):肋骨と肋骨の間にある筋肉で、肋骨を広げたり閉じたりする動きを担います。
  • 腹横筋(ふくおうきん):お腹をコルセットのように包む深層の筋肉で、呼吸中も体幹を安定させる役割があります。

これらの筋肉が連動することで、お腹を引き締めたまま深い呼吸ができるという、ピラティスにとって理想的な状態が生まれます。

腹式呼吸との違い|なぜピラティスでは胸式呼吸を使うのか

「呼吸法」と聞くと、多くの方が腹式呼吸を思い浮かべるのではないでしょうか。腹式呼吸とピラティスの胸式呼吸には、明確な違いがあります。

比較項目 腹式呼吸
お腹の動き 息を吸うとお腹がふくらむ
体幹の安定性 お腹がふくらむためコアが緩みやすい
主な目的 リラクゼーション・副交感神経の活性化
代表的な活用場面 ヨガ・瞑想・睡眠前のリラックス
比較項目 胸式呼吸(ラテラル呼吸)
お腹の動き お腹は引き締めたまま肋骨が横に広がる
体幹の安定性 コアを安定させたまま呼吸できる
主な目的 体幹安定・インナーマッスルの活性化
代表的な活用場面 ピラティス全般のエクササイズ

腹式呼吸はリラクゼーションにすぐれた呼吸法ですが、お腹をふくらませるため体幹の安定性が崩れやすいというデメリットがあります。

ピラティスでは常にお腹を引き入れた状態(コアを安定させた状態)でエクササイズを行う必要があるため、お腹を薄く保ったまま深い呼吸ができる胸式呼吸が採用されているのです。

ヨガでは腹式呼吸を中心に使いますが、これはヨガがリラクゼーションや瞑想を重視しているためです。ピラティスとヨガでは呼吸法が異なるのは、それぞれの目的が違うからだと覚えておきましょう。

以下の記事でも紹介しています。

【関連記事】【2026年】ピラティスの呼吸法で得られる7つの効果|正しいやり方とコツを徹底解説

ピラティスの呼吸法|正しいやり方を4ステップで解説

ここからは、ピラティスの呼吸法の正しいやり方を4つのステップに分けて解説します。初心者の方でも一つずつ順番に取り組めば、胸式呼吸(ラテラル呼吸)のコツがつかめるようになります。

ステップ1:正しい姿勢を作る(準備ポジション)

まずは呼吸の練習に適した姿勢を作りましょう。初心者の方には仰向けの姿勢がおすすめです。

仰向けの場合:

  1. 床にマットを敷いて仰向けに寝る
  2. 両ひざを立て、足は腰幅程度に開く
  3. 骨盤をニュートラルポジション(反りすぎず・丸めすぎない自然な位置)にする
  4. 両腕は体の横に自然に置く
骨盤のニュートラルポジションの見つけ方

仰向けに寝た状態で、腰と床の間に手のひら1枚分くらいのすき間ができるのが目安です。腰が床にベッタリついている場合は骨盤が後傾しすぎ、大きくすき間が空いている場合は前傾しすぎています。

座った姿勢で行う場合は、あぐらや椅子に座った状態で背筋を伸ばします。立った姿勢でも練習できますが、まずは仰向けで感覚をつかんでから取り組むとスムーズです。

どの姿勢でも共通するポイントは、肩をリラックスさせて、首や肩に余計な力を入れないこと。肩が耳に近づいていると感じたら、意識的に肩を下げましょう。

ステップ2:鼻から吸う|肋骨を横に広げる

姿勢が整ったら、いよいよ呼吸の練習に入ります。

吸う動作のやり方:

  1. 両手を肋骨の下部(あばら骨の一番下あたり)に軽く当てる
  2. 鼻からゆっくり息を吸い込む
  3. 肋骨が左右に広がり、手が押し広げられる感覚を確認する

このとき大切なのは、お腹ではなく、肋骨が横方向と後方に広がる感覚をつかむことです。背中側にも空気が入るイメージを持つと、広がりを感じやすくなります。

よくある失敗:肩が上がってしまう

息を吸うときに肩がすくんで上がってしまうのは、胸の上部で呼吸しているサインです。肩は動かさず、肋骨の下部だけが広がるように意識しましょう。鏡の前で確認すると、肩の動きに気づきやすくなります。

ステップ3:口から吐く|肋骨を閉じてお腹を薄くする

次に、吐く動作を練習します。

吐く動作のやり方:

  1. 口から「フーッ」と細く長く息を吐く
  2. 吐きながら肋骨を内側に閉じていく
  3. 同時にお腹を背骨に近づけるようなイメージで薄くする(ドローイン)
ドローインとは?

お腹を意識的にへこませて、腹横筋を活性化させるテクニックです。おへそを背骨に向かって引き込むようなイメージで行います。息を止めずに、吐きながら行うのがポイントです。

吐くときには、骨盤底筋を軽く引き上げるイメージを加えると、さらにコアの安定感が高まります。骨盤底筋の引き上げは、トイレを途中で止めるような感覚に近いです。

吸うときに広がった肋骨が、吐くときにしっかり閉じていく。この「広がる→閉じる」の動きを繰り返すのが、ピラティスの呼吸の基本リズムです。

ステップ4:呼吸とエクササイズを連動させる

呼吸単体の練習に慣れたら、いよいよエクササイズと組み合わせていきます。

ピラティスの呼吸には基本原則があります。

  • 力を入れるとき(努力する場面)に口から吐く
  • 力を抜いて戻るときに鼻から吸う

代表的なエクササイズでの呼吸タイミングの例を紹介します。

エクササイズ名 呼吸のタイミング
ハンドレッド 5カウント吸う→5カウント吐くを繰り返す
ロールアップ 体を起こすときに吐く→戻るときに吸う
スパインツイスト ひねるときに吐く→中央に戻るときに吸う

最初は呼吸だけの練習を十分に行い、慣れてから少しずつ動きと合わせていくのが上達への近道です。いきなり動きと呼吸を同時にやろうとすると混乱しやすいので、あせらず段階的に進めましょう。

ピラティスの呼吸がうまくできない原因と対処法

「ピラティスの呼吸が難しい」「うまくできない」と感じている方は少なくありません。ここでは、初心者がつまずきやすい4つの原因と、それぞれの対処法を紹介します。

肋骨が広がる感覚がわからない場合の練習法

胸式呼吸で一番多い悩みが「肋骨が広がっている感覚がわからない」というものです。次の方法を試してみてください。

タオルやセラバンドを使う練習法:

  1. タオルやセラバンド(ゴムバンド)を肋骨の下部にぐるりと巻く
  2. 両手で軽くタオルの端を持ち、少し締める
  3. 鼻から息を吸い、タオルを押し広げるように肋骨を広げる
  4. 口から吐くときに、タオルが締まるのを感じる

タオルの抵抗があることで、肋骨の「広がり」と「閉じ」をはっきり実感できるようになります。

また、四つ這いの姿勢で呼吸練習をするのも効果的です。四つ這いでは背中側が上を向くため、背中に空気を入れる感覚がつかみやすくなります。

最初は仰向けで練習するのがおすすめです。仰向けは体がリラックスしやすく、余計な筋肉の緊張が起きにくいため、純粋に呼吸の感覚に集中できます。

呼吸と動きを同時にできないときの解決策

「動きに集中すると呼吸を忘れてしまう」「呼吸を意識すると動きがわからなくなる」という悩みは、ピラティス初心者のあるあるです。決してあなただけではありません。

対処法として、次の段階的なアプローチをおすすめします。

  1. まず「呼吸を止めない」ことだけを意識する:正しいタイミングでなくても構いません。止めないことが最優先です。
  2. シンプルなエクササイズから連動を練習する:ひざの開閉や腕の上げ下げなど、簡単な動きに呼吸を合わせる練習から始めましょう。
  3. 慣れてきたら正しいタイミングに合わせていく:体が動きを覚えてきたら、吸う・吐くのタイミングを少しずつ整えます。

完璧な呼吸タイミングは後からでも身につきます。まずは止めないことを最優先にしましょう。

呼吸時に首や肩に力が入ってしまう場合

呼吸のたびに首や肩に力が入り、こわばってしまう方もいます。これは呼吸補助筋(胸鎖乳突筋や斜角筋など)が過剰に働いていることが原因です。

日常的に浅い呼吸がクセになっている方は、首や肩の筋肉を使って呼吸する習慣がついてしまっていることがあります。

対処法は次のとおりです。

  • 呼吸練習の前に肩甲骨まわりのストレッチを行う:肩を大きく回したり、胸を開くストレッチをして筋肉の緊張をほぐしましょう。
  • 吐くときに「肩を耳から遠ざける」意識を持つ:息を吐くタイミングで、意識的に肩を下げるようにします。
  • 仰向けで練習する:仰向けなら肩が床に支えられるため、首や肩の力が抜けやすくなります。

息が浅くなる・苦しくなる場合のチェックポイント

胸式呼吸を意識するあまり、かえって息が浅くなったり、苦しくなったりするケースもあります。

多い原因は、無理に深く吸おうとしすぎることです。吸うことばかりに意識が向くと、肺にまだ空気が残った状態でさらに吸おうとしてしまい、過呼吸に近い状態になることがあります。

このようなときは、次のポイントをチェックしてみてください。

  • まず「吐ききること」を優先する:しっかり吐ききれば、吸う動作は自然に起こります。
  • 吐く時間を長めにとる:吸う時間より吐く時間を長くするイメージで行いましょう。
  • 無理に大きく呼吸しない:最初は小さな呼吸で十分です。慣れるにつれて自然と深い呼吸になっていきます。
日常の呼吸の癖も見直してみましょう

普段から浅い呼吸がクセになっていると、ピラティスの呼吸も浅くなりがちです。デスクワーク中に猫背になっていないか、無意識に息を詰めていないかなど、日常の呼吸パターンを見直すことも大切です。

以下の記事でも紹介しています。

【関連記事】【2026年】ピラティスのロールアップ完全ガイド|正しいやり方・できない原因と克服のコツ

ピラティスの呼吸を上達させる練習メニュー

ここからは、ピラティスの呼吸を上達させるための具体的な練習メニューを紹介します。初心者向けと中級者向けに分けていますので、ご自身のレベルに合わせて取り組んでみてください。

初心者向け|1日5分の呼吸トレーニング

まずは呼吸だけに集中するトレーニングです。1日5分でできるので、ぜひ毎日の習慣にしてみましょう。

メニュー1:仰向けでの基本練習

  1. 仰向けでひざを立て、両手を肋骨に当てる
  2. 鼻から4カウントで吸う(肋骨を横に広げる)
  3. 口から6カウントで吐く(肋骨を閉じてお腹を薄くする)
  4. 10回繰り返す × 3セット

吸うカウントより吐くカウントを長くするのがコツです。吐く時間を長くとることで、腹横筋をしっかり使う練習になります。

メニュー2:座った姿勢での呼吸練習

  1. 椅子に浅く腰かけ、背筋を伸ばす
  2. 同じように鼻から4カウント吸い、口から6カウント吐く
  3. 10回繰り返す

座った姿勢での練習は、デスクワークの合間にもできるのがメリットです。仕事中のリフレッシュにも活用できます。

中級者向け|呼吸と体幹を連動させるエクササイズ

呼吸単体の感覚がつかめてきたら、体の動きと組み合わせた練習に進みましょう。

ブリージング・ウィズ・アームス(呼吸+腕の動き):

  1. 仰向けでひざを立て、両腕を天井に向けて伸ばす
  2. 鼻から吸いながら、両腕を頭の方向にゆっくり下ろす
  3. 口から吐きながら、両腕を元の位置に戻す
  4. 8〜10回繰り返す

キャットストレッチと呼吸の連動:

  1. 四つ這いの姿勢になる(手は肩の真下、ひざは腰の真下)
  2. 口から吐きながら背中を丸める(猫が怒ったような姿勢)
  3. 鼻から吸いながら背中を元の位置に戻す
  4. 8〜10回繰り返す

スパインカール(骨盤のアーティキュレーション):

  1. 仰向けでひざを立てる
  2. 口から吐きながら、骨盤を後傾させて背骨を1つずつ床から持ち上げる
  3. 肩甲骨の下あたりまで上げたら、鼻から吸う
  4. 口から吐きながら、背骨を上から1つずつ床に下ろしていく
  5. 6〜8回繰り返す

どのエクササイズも、動きに合わせて呼吸が自然に流れることを意識してみてください。

日常生活で呼吸の質を高める習慣

ピラティスの呼吸は、レッスンの時間だけでなく日常生活に取り入れることでさらに上達します。

  • 姿勢を正す:猫背の状態では胸郭(きょうかく:肋骨が作るカゴ状の部分)が圧迫され、深い呼吸ができません。デスクワーク中も背筋を伸ばすことを意識しましょう。
  • 通勤中・仕事中のプチ呼吸エクササイズ:電車の中や信号待ちのとき、4カウント吸って6カウント吐く呼吸を数回行うだけでも練習になります。
  • 寝る前の呼吸練習:布団に入った状態で胸式呼吸を5〜10回行うと、自律神経が整いやすくなり、寝つきの改善にも役立ちます。

姿勢改善と呼吸の質は直結しています。良い姿勢を保つことが、そのままピラティスの呼吸の上達につながるのです。

ピラティスの呼吸で得られる効果・メリット

ピラティスの呼吸法を正しく身につけると、体にさまざまなうれしい変化が現れます。ここでは、代表的な3つの効果を紹介します。

姿勢改善・体幹強化への効果

ピラティスの胸式呼吸を行うと、呼吸のたびに腹横筋や多裂筋(たれつきん)といったインナーマッスルが自然と働きます。

多裂筋(たれつきん)とは?

背骨に沿って付いている小さな筋肉です。背骨を1つずつ安定させる役割があり、腹横筋と一緒に働くことで体幹をしっかり支えます。

これらのインナーマッスルが鍛えられると、反り腰や猫背の改善につながります。反り腰の方はお腹の筋肉がうまく使えていないケースが多く、呼吸を通じて腹横筋を活性化することで骨盤が正しい位置に戻りやすくなります。

猫背の方も、胸式呼吸で肋骨を広げる動きを繰り返すことで胸郭の動きが良くなり、胸を開いた美しい姿勢に近づけます。

自律神経の調整・ストレス軽減効果

意識的に呼吸をコントロールすることは、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。

特に吐く息を長くすると副交感神経が優位になりやすく、心身がリラックスした状態に導かれます。ピラティスの呼吸法は吐く時間を長くとることが基本なので、エクササイズ後にスッキリとした爽快感やリラックス感を得られる方が多いのです。

ピラティスの呼吸を日常生活にも取り入れると、仕事中のイライラや緊張を感じたときに気持ちを落ち着かせるツールとしても活用できます。

肩こり・腰痛の緩和に役立つ理由

肩こりや腰痛に悩んでいる方にも、ピラティスの呼吸は役立ちます。

浅い呼吸が習慣になっていると、首や肩の筋肉(呼吸補助筋)が常に緊張した状態になります。これが慢性的な肩こりの原因の一つと言われています。

ピラティスの胸式呼吸を身につけると、肋骨まわりの可動性が向上し、本来使うべき呼吸筋(横隔膜や肋間筋)をしっかり使えるようになります。結果として、首や肩の余計な緊張がやわらぎ、肩こりの緩和につながるのです。

また、呼吸を通じて体幹が安定すると腰への負担も軽減されるため、腰痛の予防や緩和にもつながると考えられています。

以下の記事でも紹介しています。

【関連記事】ピラティスのニュートラルポジションとは?正しい見つけ方と維持のコツを徹底解説

まとめ|ピラティスの呼吸は練習次第で必ず身につく

正しい呼吸を身につけるためのポイントまとめ

この記事では、ピラティスの呼吸法について基本から実践方法、よくある悩みの対処法までくわしく解説してきました。最後に、大切なポイントを振り返りましょう。

胸式呼吸(ラテラル呼吸)の3つの要点:

  1. 鼻から吸って肋骨を横に広げる
  2. 口から吐いて肋骨を閉じ、お腹を薄くする
  3. お腹を引き締めたまま深い呼吸を繰り返す

上達のためには、まず呼吸だけの練習を十分に行い、慣れてからエクササイズの動きと連動させるという順序を守ることが大切です。

毎日5分の呼吸練習を2〜3週間続ければ、多くの方が自然にできるようになると言われています。最初はうまくいかなくても、あきらめずに続けてみてください。

一人で練習していて不安を感じる場合は、ピラティススタジオのインストラクターに直接指導を受けるのも有効です。呼吸の感覚は言葉だけでは伝わりにくい部分もあるため、プロに見てもらうことで一気に理解が深まることがあります。

正しい呼吸を身につけて、ピラティスの効果を最大限に引き出しましょう。

よくある質問

ピラティスの呼吸は鼻から吸って口から吐くのが正解?

はい、基本は鼻から吸って口から吐くのがピラティスの呼吸法です。

鼻から吸うことには理由があります。鼻を通ることで空気が適度に温められ、ほこりや細菌がフィルタリングされるため、体にやさしい状態で空気を取り込めるのです。

一方、口から吐くのは、腹筋の収縮を意識しやすくなるというメリットがあります。「フーッ」と口から吐くことで、自然とお腹に力が入る感覚がつかめます。

ただし、ピラティスの流派やインストラクターによっては、鼻から吸って鼻から吐く指導を行う場合もあります。通っているスタジオの指導に合わせるのがよいでしょう。

ピラティスとヨガの呼吸法の違いは何ですか?

ピラティスとヨガでは、使う呼吸法と目的が異なります。

  • ピラティス:胸式呼吸(ラテラル呼吸)が基本。体幹を安定させながら動くことを重視。
  • ヨガ:腹式呼吸が中心。リラクゼーションや瞑想を通じた心の安定を重視。

それぞれ目的が違うため、呼吸法も異なるのは自然なことです。どちらが優れているというわけではなく、目的に合った呼吸法を選ぶことが大切です。

両方の呼吸法を使い分けられるようになると、体幹の安定とリラクゼーションの両方を得られるため、相乗効果が期待できます。

ピラティス中に呼吸を止めてしまうのはダメですか?

できるだけ息を止めないようにしましょう。呼吸を止めると血圧が急上昇したり、体全体が緊張して筋肉がかたくなったりするリスクがあります。

特に初心者の方は、難しい動きに集中すると無意識に息を止めてしまいがちです。これはよくあることなので自分を責める必要はありません。

完璧な呼吸のタイミングよりも、「息を止めないこと」を最優先にしてください。呼吸のタイミングが多少ずれていても、止めてしまうよりはずっと良いです。

慣れるまでは、インストラクターの声かけに合わせて呼吸すると、自然なリズムが身につきやすくなります。

ピラティスの呼吸が難しいと感じるのは普通ですか?

はい、ピラティスの呼吸が難しいと感じるのはまったく普通のことです。初心者の多くが「呼吸がうまくできない」と感じるので、心配する必要はありません。

日常生活で胸式呼吸を意識する機会はほとんどないため、体が慣れていないのは当然です。2〜3週間ほど練習を続ければ、自然にできるようになる方がほとんどです。

早く感覚をつかみたい方は、この記事で紹介したタオルを使った練習法を試してみてください。肋骨の動きを手で感じながら練習すると、コツがつかみやすくなります。

ピラティスの呼吸だけでもダイエット効果はありますか?

正直に言うと、呼吸だけで劇的なダイエット効果を得るのは難しいです。

ただし、ピラティスの呼吸にはいくつかの間接的なメリットがあります。

  • インナーマッスルの活性化:腹横筋が鍛えられることで基礎代謝が上がりやすくなります。
  • エクササイズ効果の向上:正しい呼吸によりピラティスの効果が高まり、結果としてカロリー消費にも貢献します。
  • ウエストの引き締め:呼吸でお腹を薄くする動きを繰り返すことで、ウエストまわりの見た目の変化を実感しやすいポイントです。

ダイエットを目的とする場合は、呼吸だけでなくピラティスのエクササイズ全体を継続し、食事の管理も合わせて行うことが大切です。

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